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万年筆がステータスーシンボルといわれる理由

いま20代以上の人なら、万年筆を入学祝いにもらったり、名前を彫りこんでもらったりして大事にした思い出をもつ人も多いのではないだろうか。

いまはボールペンやシャープーペンシルの手軽さが受けて、万年筆の人気は下降気味である。

しかし、たとえばクリントン大統領と細川前首相が声明を発表し、サインするときに登場するのは万年筆だ。

こういう場面にボールペンやシャーペンは役不足である。

1本100円也の書きやすいボールペンが普及し、消耗品的なイメージの強くなったほかの筆記具一般に対して、万年筆はただ書くだけの道具でなく、愛蔵品として、あるいはステータスーシンボルとしての地位を保持している。

軸が太くてもちやすい、作家に愛用者が多いモンブランの「マイスターシュテュツク」は五万円ぐらいから。
クラシックなデザインが人気のパーカー社の「デュオフォールド100」は六万円ぐらい。

パイロットの前身である並木製作所とダンヒルが提携してつくったダンヒル・ナミキの蒔絵万年筆というのもあったし、ダイヤをちりばめたものもあった。

もちろん、高級品ばかりでなく、一般人にも買える商品もたくさんある。しかし、万年筆の専門家の話では、1万円の万年筆はいくら調整しても3万円の万年筆にはかなわないとか。

投資した値段が、そのまま正直に使いやすさに反映する。それが万年筆という小物なのである。事務的なワープロ文字に没個性を感じ、またどう書いてもみんな同じ太さになってしまうボールペンやサインペンに飽き足らなくなったら、ペン先から個性的なりズムや味わいを生み出してくれる万年筆にもどるしかないのかもしれない。