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ロエベ社の革カバンの美しさはどこから生まれた?

はるか昔、砂漠を横断するシルクロードを通って中国からヨーロッパなどに運ばれた絹は、贅沢品の最たるものだった。

いまでは、生産技術が進み、ずいぶん気軽に手に入るようになったとはいえ、絹のもつあの柔らかな光は、女性たちを魅了してやまないのはたしかだ。

ところで、そんな絹の美しさを、革のバッグで表現したカバンメーカーがある。スペインが誇るロエベ社だ。

ロエベ社のバッグは、しなやかさが売り物で、スペイン王室御用達にもなっている一級のブランド品だ。

ロエベの定番ともいえる、かわいらしい三角バッグで24万5000円、ポストンバッグの小型のもので14万1000円と、値段のほうも一級だが、その革のなめし技術には独特の技法をもちいていることで有名である。

その秘訣は、はるか昔、イベリア半島を支配したムーア人の技術にさかのぼる。ドイツの皮革職人であったエンリケーロエベーロスバーグは、さまざまな上地を巡  りながら、その腕を磨いていたが、彼のインスピレーションを刺激したのが、ムーア人が使っていた独自のなめし技術だった。

そして、ロエベは即座にスペインのマドリッドに工房を構えた。1846年のこ  とだ。それまで各地を転々としていた彼が、迷わず工房を開いたことからも、いかに、その技術に心酔していたかがわかるだろう。

その後、1887年に第1号の店がオープン。1905年には、スペイン王室御用達となり、スペインを代表するレザーグッズとしての地位を与えられた。

ロエベ社のモットーは、「革に忠実」であること。これは、1890年に標語として唱えられて以来、いまもかわらずに受け継がれている精神だ。シンプルなデザインと、上質の革の絹の光沢が調和した上品なバッグは、この精神の元で生まれてきたものだ。

王室御用達になって以来「ロエベの工房を訪ねる王妃の姿をたびたび見かけることができる」といわれるほど、王妃たちに愛されてきたロエベのバッグ。女性ならばぜひ手に入れたい一品だ。