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ポロ競技から生まれたブルックス社の看板シャツ

シャツといえば、ブルックスーブラザーズと決めている殿方も多いほど、シャツの老舗の感が強いブルックス社。とくに、オウンーメイクと称される、そこかしこを、きめ細かい手作業で仕上げたシャツには、織りネームにメーカーズと特別に記され、代表的なブランドとなっている。

さて、このブルックス社の社長であったジョンーブルックス氏が社長引退後に、ポロ競技の試合を見ていて、はたとある考えが閃き、そのアイデアで大ヒットしたシャツがある。「ポロと関係があるから、そうだ、ポロシャツだ」と思うなかれ。じつはボタンダウン・シャツが正解なのだ。時は、20世紀はじめのこと。

当時のポロ選手は、激しいパドルのためにシャツの襟がピラピラして、競技の邪魔にならないように、試合中は、襟をボタンで留めていた。これを見たジョン氏は、これだ、とピンときたのだ。襟をボタンで留めてしまう、そんな斬新なシャツをつくってみようと。しかもそのシャツは、ポロなどのスポーツ用ではなく、まったくの街着として売り出してみようと。

スポーツ用でもないのに、わざわざ襟をボタンで留めてなんのメリットがあるのだろうか? 当時、そう考えた人もいたかもしれない。

けれど、襟をボタンで留めることによって、襟がスッキリと立つようになり、形の美しさが際立つだのはたしかだった。しかも、しっかりとボタンで留めてあるので、途中で襟の形が崩れることもない。

さらに、第一ボタンだけわざとはずしてみると、襟の下の部分が身頃に引きつけられて湾曲し、またちがった襟の形をつくるのだ。

ブルックス社のボタンダウンーシャツは、第1ボタンと第2ボタンの間が、第3ボタン以下の間隔にくらべて、わざと広くなっている。これは、第一ボタンをはずしたときにも、襟の形が美しく見えるようにと計算された結果なのだ。

懐かしい感のあるボタンダウンーシャツだが、こういう正統派のシャツなら、流行に惑わされず長いおつきあいをしたいものだ。